お彼岸の意味

お彼岸の期間は、秋分の日と前後3日間をあわせた7日間です。
このお彼岸期間に先祖供養のためのお墓参りに行く人は多いでしょう。先祖を思い出したり、今の自分を取り巻く環境などを省みて、おかげ様の気持ちを改めて感じる機会になる人が多いと思います。
しかし、お彼岸はお墓参りのためだけの日ではありません。自身を省みて、大切な教訓を改めて考え、実践する機会でもあります。 お彼岸は、私たちための『仏教の実践週間』です。なにかと忙しい毎日ですが、秋と春のお彼岸くらいは仏教の大事な約束事を意識し、実践してみてはいかがでしょうか。

『六波羅蜜』
1.布 施   人のためになにかしましょう。
2.持 戒   生き物をみだりに殺してはいけません。盗みを犯してはいけません。邪淫を犯してはいけません。 嘘をついてはいけません。酒をみだりに飲んではいけません 。
3.忍 辱   不平不満ばかり言わず、お互いに少しずつ我慢しましょう。
4.精 進   努力をしましょう。
5.禅 定   静かな心で自分自身を見つめましょう。
6.智 慧   偏見にとらわれず、あるがままに見ましょう。

これができたら仏様です。簡単なようで難しいことばかりです。

あともうひとつ。
秋分の日(9月22日)は、真東から日が昇り、真西に日が沈みます。
極楽浄土は遥か西にありますので、夕日に向かって手を合わせ、ご先祖様に感謝しましょう。

お地蔵さま【甘酒地蔵 水子地蔵】

仏さまの種類はたくさんあります。たくさんの仏さまのなかでも大変に人気があるのがお地蔵さまで、今回はお地蔵さんの話をしたいと思います。
法蔵寺にもたくさんの仏像がありますが、ご本尊の阿弥陀如来の他にも、脇段には優しい慈悲にあふれた表情の甘酒地蔵や、怖い顔した不動明王などが本堂にまつられています。

お地蔵さまの正式な名前は「地蔵菩薩」といいます。
母なる大地のような大きな慈しみを内蔵しているので「地蔵」と名付けられました。大地が全ての生き物を育むような慈悲深い母のような表情で、地獄の責苦から救済してくれ私達に安心感を与えてくださる菩薩です。
また、その姿は菩薩でありながら頭は剃髪し僧侶の姿で、衆生を救済するために菩薩であっても仏となることなく永久に人々に救いの手を差し伸べています。
地蔵の形で最も多い形態様式は、宝珠錫杖地蔵と呼ばれ左手に錫杖、右手に如意宝珠を持つお姿のお地蔵さまです。
法蔵寺には本堂内に甘酒地蔵尊が居る他に、外にも水子地蔵さんや六地蔵など境内のいたるところお地蔵さまがいらっしゃいますが、当寺のお地蔵さまもこの宝珠錫杖地蔵のお姿が多いです。

地蔵菩薩がどういう仏さまかというと、お釈迦様が亡くなってから五十六億七千万年後に弥勒菩薩が登場するまでの間、地獄・飢餓・畜生・阿修羅・人・天の六道を輪廻して苦しむ人々を救うという菩薩です。
六道とは、私達が(亡くなった後も)迷い彷徨う六つの迷いの苦しい世界のことです。
お墓にはよく六地蔵がお祀りされていますが、亡くなってからその六つの世界で苦しむ衆生を救うためにお墓に六地蔵をお祀りしてあるのです。

また、お地蔵様のすごいところは、「現世利益」と「死後の迷いからの救済」の両方の徳があるところです。
トゲ抜き地蔵、身代わり地蔵、厄除け地蔵、延命地蔵、開運地蔵、勝利地蔵、子守地蔵、子宝地蔵などたくさんのご利益があるお地蔵さまが日本各地でみることができます。
まさにオールマイティーな仏さまで、多くの方から信仰され親しまれ、一番身近な仏さまなのだと思います。

法蔵寺には、甘酒地蔵さま、水子地蔵さまがいらっしゃりますが、それぞれ子安地蔵の意味合いがあります。
甘酒地蔵様さまの由来は、その昔お乳の出ないお母さんがこのお地蔵さまに甘酒をお供えしたところ、お乳が出るようになり、その赤ちゃんも元気にすくすくと育ったということが由来になっています。7月24日は法蔵寺甘酒地蔵尊の御縁日で、以前は甘酒地蔵祭りとして盆踊りをしたり、花火が上がったり、出店が出たりと大々的にお祭をしていました。
水子地蔵さまは、この世に生まれてこれなかったお子様を暖かく守ってくださるお地蔵さまです。
二つのお地蔵さまはともに、三春や地域の方から長い間篤く信仰されてきました。これからもずっとかわいい子供を見守ってくださることでしょう。

甘酒地蔵尊


水子地蔵

お地蔵さま縁のもので、もう一つ有名なものがあります。
地蔵和讃です。
幼くして亡くなった子どもとその両親の物語で、悲しい物語です。

賽の河原地蔵和讃

これはこの世のことならず    死出の山路の裾野なる

さいの河原の物語         聞くにつけても哀れなり

この世に生まれし甲斐もなく   親に先立つありさまは

諸事の哀れをとどめたり

二つや三つや四つ五つ     十にも足らぬおさなごが

さいの河原に集まりて      苦患(くげん)を受くるぞ悲しけれ

娑婆と違いておさなごの     雨露しのぐ住処さえ

無ければ涙の絶え間無し    河原に明け暮れ野宿して

西に向いて父恋し         東に向いて母恋し

恋し恋しと泣く声は        この世の声とは事変わり

悲しさ骨身を通すなり

南無大悲地蔵尊       南無阿弥陀仏

寒くなってきましたね。
風邪などひかぬようご自愛下さいませ。

食欲の秋 ~五観~

いよいよ食欲の秋でございます。
サンマもうまいっすね。
秋ナスもうまいっすね。
栗ごはんもうまい。
梨も大好き。
会津の柿、最高。
もうなんでも美味いってぐらい美味いものがいっぱいです。

普段、私達が食事をする時に感じること、または考える事と言えば、
「美味いか不味いか」
「腹一杯か足りないか」
ぐらいのことだと思います。

がしかし、私達が食事から得られるものは、味覚的な満足や、身体的な栄養を得るだけのものではありません。
もっと私達の生き方や考え方にも大きな徳を与えてくれるものなのです。

我々時宗の坊さんは食事の前には必ずお経をお唱えします。そのお経のなかで『五観』という一節があり、解りやすいので紹介したいと思います。

『五 観 偈』
一つには功の多少を計り彼の来処を量る
二つには己が徳行の全欠多減を計る
三つには心を防ぎ過(とが)を顕すに三毒に過ぎず
四つには正(まさ)しく良薬を事として行苦を救うことを取る
五つには道業を成ぜんが為に世報は意に非ず

意味
(1)目の前の食べ物を生産した人々の苦労に思いを馳せ、また自分のもとへ運ばれてくるまでの経過や手間を想像してみましょう。
食材、生産者、流通業者、販売者、調理者など、実に多くの存在のつながりによって、今目前置かれた食事がまたとない形で成り立っていることを知ることが大切です。

(2)このようなありがたい食べ物を受ける資格が自分にあるのかどうか、己の行いを振り返りましょう。
「自分は食べて当たり前」の存在ではなく、「食べさせて頂ける」存在であるという謙虚な姿勢から、感謝の念は生まれます。

(3)修行とは、心の汚れを清めることであり、貪瞋癡(トンジンチ、むさぼり、怒り、愚かさ)の三毒を払いのけ、克服することが大切です。
食事における三毒とは、たとえば「他の人より多く食べたい」「より美味しいものを食べたい」といった貪欲、美味しくないものを食べさせられたときに浮かぶ怒り、食べ物をいただくことの意義や食事作法の大切さがわからない愚かさなどが挙げられます。

(4)身体が痩せ衰えるのを癒やすための良薬と位置づけて、食事をいただきます。
人は、食べ物を摂取しなければ生きてはいけません。自己存在を根底から支えてくれているのが、まさに『食事』なのです。その自覚を持ちましょう。

(5)仏さまと同じ悟りに達するために、この食事をいただきます。
仏さまがしておられたように、この食事を仏道実践の糧にしていくことを誓って、有り難くいただきましょう。

食欲の秋、美味しいものをいただく際に、ちょっと上記のようなことを考えてから食べてみてはいかがでしょうか。
感謝の気持ちと共により一層美味しくなるのではないでしょうか。
食べ物を心身の良薬にするのも、暴飲暴食、脂肪の元にするのも自分次第です。

会う人、会う人に「・・・太ったね」と言われる自分の戒めのために記す。

引用
小さな心から抜け出す お坊さんの1日1分説法
著 彼岸寺

お彼岸は『仏教実践週間』です。

お彼岸の期間は、秋分の日と前後3日間をあわせた7日間です。
このお彼岸期間に先祖供養のためのお墓参りに行く人は多いでしょう。先祖を思い出したり、今の自分を取り巻く環境などを省みて、おかげ様の気持ちを改めて感じる機会になる人が多いと思います。
しかし、お彼岸はお墓参りのためだけの日ではありません。自身を省みて、大切な教訓を改めて考え、実践する機会でもあります。 お彼岸は、私たちための『仏教の実践週間』です。なにかと忙しい毎日ですが、秋と春のお彼岸くらいは仏教の大事な約束事を意識し、実践してみてはいかがでしょうか。

『六波羅蜜』
1.布 施   人のためになにかしましょう。
2.持 戒   生き物をみだりに殺してはいけません。盗みを犯してはいけません。邪淫を犯してはいけません。 嘘をついてはいけません。酒をみだりに飲んではいけません 。
3.忍 辱   不平不満ばかり言わず、お互いに少しずつ我慢しましょう。
4.精 進   努力をしましょう。
5.禅 定   静かな心で自分自身を見つめましょう。
6.智 慧   偏見にとらわれず、あるがままに見ましょう。

これができたら仏様です。簡単なようで難しいことばかりです。

あともうひとつ。
秋分の日(9月23日)は、真東から日が昇り、真西に日が沈みます。
極楽浄土は遥か西にありますので、夕日に向かって手を合わせ、ご先祖様に感謝しましょう。

あとは、おはぎの食べ過ぎに注意しましょうにかっ