仏教では釈迦の死を涅槃(ねはん、吹き消されたという意味)と呼び、2月15日の涅槃会で釈迦を追悼しています。
法蔵寺では、毎年3月15日にお釈迦様の涅槃図を本堂にかけ、だんごまきをする涅槃会を修めています。
今年も檀家のみなさんに御団子を作っていただきました。
参拝者も大勢で、にぎやかに涅槃会法要をしました。
涅槃図とは、お釈迦様が入滅される(亡くなる)姿を描いた図です。
お釈迦様は80歳になるまで精力的に説法を続けてきましたが、さすがに体力も落ち、旅先で食中毒にかかってしまいます。お釈迦様はクシナガラ郊外の沙羅双樹(さらそうじゅ)の下で、頭を北、顔を西に向け横たわると、高弟や信者たち、獣や虫までが見守る中、「悲しまなくていい…私が説いた教えと戒律が、死後にお前たちの師となろう。ただ一切は過ぎていく。怠ることなく修行を完成しなさい」と最期に語って入滅(他界)されました。涅槃には“煩悩の火が吹き消された状態”という意味もあり、この場合は悟りの境地を指します。
弟子たちは皆泣き伏し、お釈迦様の死を悼んでいました。お釈迦様を荼毘(だび)に付そうとしましたが七日間も火が着かなかったそうです。七日目に教団の後継者である摩訶迦葉(まかかしょう)がクシナガラに到着すると日は待っていたかのように燃え出したのです。お釈迦様の遺骨は八つに分けられ、遺骨を収めるための各地に塔が建てられました。塔のことをサンスクリット語で『ストゥーパ』といい、これが漢字で『卒塔婆(そとうば)』と音写されました。これが塔婆の由来です。
こうしてお釈迦様は生涯を終えました。