お釈迦様の生涯 ③悟り

シッダールタは当初、2人の仙人のもとで思想を学びましたが、どの教えも彼を満足させることはできませんでした。シッダールタは5人の修行仲間と共に苦行に突入した。しかし、体を痛めつけたり断食をしても悟りに至る事はなく、“何事も極端に走るのではなく中道が肝心”と苦行の無意味さに気づき、35歳で6年続けた苦行を止めました。他の苦行者は彼を脱落者として嘲笑しました。
シッダールタはネーランジャラー河の岸辺で村娘スジャータが作ってくれた“牛乳がゆ”を食べて体力を回復させると、ガヤー村の菩提樹の下で静かに座禅を組んで瞑想に入ります。悪魔が悟りを妨害する為に大軍を送りましたが、シッダールタはこれをことごとく調伏しました。この逸話は、シッダールタの心の中の葛藤を象徴しています。シッダールタといえども、人間的な欲望や執着がないわけではありません。悟りを目指す瞑想の中、そのような自分の欲望や執着と戦い、これを抑制する精神力を蓄えていった過程をこの悪魔たちとの戦いの逸話に象徴させています。瞑想開始から49日後の12月8日未明に悟りを開き、彼は「菩薩(修行者)」から「仏陀(覚醒者)」となりました。これを祝い12月8日には成道会(じょうどうえ)が行なわれます。お釈迦様が修行をして仏陀になったように、私たちも善い行いをして修業すれば仏陀になれるのが仏教です。仏陀になれなくてもそれにほんの少しでも近づけるよう日々精進することが仏教だと思います。

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