四諦八正道(シタイハッショウドウ)と読みます。
35 歳で悟りを得たお釈迦様の初めての説法(初転法輪)が四諦八正道であり、仏教の根本の教えとされています。
生きていることは「苦」であるという考えを具体的に示し、「苦」からの解放を説いたもので、「四諦」の「諦」という字の語源は「道理を明らかにする」という意味であって、「真理」や「悟り」を表しています。
四諦
「四諦」とは仏陀の説いた四つの真理「苦諦」「集諦」「滅諦」「道諦」のことをいいます。
苦諦…この世は苦の世界だという真理
生・老・病・死、愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五取蘊苦
集諦…その苦には原因があるという真理
滅諦…苦の原因を滅すれば苦も消滅するという真理
物事への欲望と執着をなくせば
「涅槃(悟りの境地)」につながる
道諦…苦を滅する方法を示した真理
道諦をさらに詳しく説いて八つの修行法も定めた。
これがいわゆる『八正道』です。
八正道
①正見…正しい見解…お釈迦様の教え(四諦)を理解すること。
②正思惟…正しい考え…よこしまな考えを持たないこと。
③正語…正しい言葉…うそをつかない。
④正業…正しい行ない…殺生、盗みなどをしない。
⑤正命…正しい生活…生活の糧を正しい方法で得て、規則正しく生活する。
⑥正精進…正しい努力…悟りに向かって努力すること。
⑦正念…正しい思念…仏の教えを思いながら生活すること。
⑧正定…正しい精神統一…静かな心で瞑想すること。
この四つの真理(四諦)を熟知し、中道(八正道)を実践すれば、一切の苦しみから脱することができるということです。
正しい言葉を使い、よこしまな行いを避け、正しい生活をすれば、仏の教えを忘れないようになり、心身ともに動揺することのない精神統一ができるようになり、正しい見解と考えが身につく。そのためには常に精進しなければならない。
・・・ということです。これがお釈迦様の『四諦八正道』の教えです。