四法印 ①諸行無常

インドでお生まれになったお釈迦様が広めたのが仏教です。その仏教の基本の教えに『四法印』というものがあります。仏教を理解する上で大事な教えなので全四回に分けてご紹介します。

四法印 ①諸行無常
『祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり・・・・・』
平家物語で有名な一説です。『諸行』とはあらゆるものごとや事象のことで、『無常』とは常に変化生滅していて不変なものは存在しないということです。
変わらないものはない。茶碗もいつかは割れてしまい、人も死を迎え、宇宙もいつかは滅びてしまう。すべてのものは生まれ、常に変化し、滅んでいく。ともすれば私たちは今の状態がいつまでも続くものだと思い込んでしまい、それにこだわるので、変化に巻き込まれたときに苦しいと感じてしまうのです。
無常を前提にものごとを観察し、事態に対処していくならば、変化が当たり前なのですからそれに動じることなくなります。私たちが年老い、死んでいくことは当たり前なのです。逆にそのような存在だからこそ、将来老いることを嫌ったり、死ぬことを恐怖するのではなく、今現在を充実して生きることが大切だと考えられるのです。
お釈迦様は、必要以上に過去にこだわったり、未来を案じるのではなく、今目の前にある現実をしっかり生きなさいと言っているのです。

引用:仏教のことが面白いほどわかる本 著田中治郎

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